南海電鉄

 南海電鉄は大阪ミナミの中心地難波から和歌山県方面に路線網を展開しており、現存する民鉄としては最古の会社として知られています。堺、泉佐野を経由して和歌山市へ向かう本線と、橋本を経由して高野山へ向かう高野線をメインルートとし、ほかに短距離の支線が数線あります。平成6年からは関西国際空港にも路線を延ばし、大阪から関空への空港アクセスも担うようになっています。
 現在では、先述の関空アクセスのほかに、古くから開発が進んでいた泉州地方、近年になって開発が進むようになった和歌山県北部から堺、大阪への輸送を主目的としていますが、かつては和歌山港から船便で徳島まで渡るルートが四国へのメインルートとなっており、四国への訪問者で賑わった時期もありました。また、昭和60年3月までは、和歌山市から国鉄紀勢本線に乗り入れて、白浜、新宮まで直通する列車が走っていた。
 話がそれますが、現在のプロ野球球団、ホークスは、現在はソフトバンクが親会社となっていますが、2代前は、この南海電鉄が所有していました。球団愛称は南海の当時の社紋に由来しているのですが、現在の南海の社紋からは鷹が消えてしまっているのに、リーグ一の人気球団にその面影が残っているのは、何か嬉しい気もしませんか。
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30000系。昭和58年に登場した高野線用の特急車両で、極楽橋行き特急「こうや」のほか、通勤特急の色合いも強い橋本行き「りんかん」に使用されている。
橋本から先の急曲線、急勾配が連続する山岳線区に乗り入れるため、17m級車体、全電動車構成になっているのが特徴である。
南海本線 今宮戎・新今宮 2007.11.24
10000系。昭和60年に登場した本線用の特急車両で、難波・和歌山市・和歌山港間の「サザン」に使用される。当初は2両編成で登場したが、その後中間車が増備され、4両編成となっている。登場当初の塗装は、白地に幅の異なった緑の帯が巻くという装いであった。
単独で使用されるよりは、写真のように、7000系や7100系を難波よりに従えて特急仕業に就くことが多い。この場合、7000,7100系に乗車するのであれば特急料金は不要である。
南海本線 岸里玉出・粉浜 2007.11.17
50000系。平成6年に登場し、この年開業した関空アクセス特急「ラピート」に使用される。深青に包んだ姿は従来の南海のイメージを一新させるに十分であったが、何といっても、アニメのロボットのような前面が特筆されよう。
南海本線 今宮戎・新今宮 2007.11.17
7000系。昭和38年に登場した本線用通勤型車両である。昭和43年までの間に90両が投入され、平成19年から廃車が始まったものの、いまだ80両が特急から普通まで、寄る年をものともせず、がんばっている。
片開き構造の通勤型電車というのも、いまや珍しい存在だが、20m級車の鋼製車体で、なおかつ、現役ばりばりで走っているとなると、この7000系が唯一である。 
南海本線 岸里玉出・粉浜 2007.11.24
7100系。昭和44年に登場した本線用通勤型車両である。7000系の改良版という位置づけであるが、前面の方向幕は当初から装備されているほか、客用扉は両開きに、側窓は2段式から一段下降式に改められている。
初期車は廃車されているものの、平成19年時点で114両が残存しており、南海の車両の中で最大勢力を誇っている。本線の特急から支線の普通まで幅広い活躍を見せている。
なお、7000系ともども、平成初期までは、濃淡の緑を組み合わせたツートンカラーをまとっていた。
南海本線 今宮戎・新今宮 2007.11.17
6000系。昭和37年に登場した高野線用通勤型車両である。20m級の車両としては、日本初のオールステンレス車である。
600V→1500Vの昇圧工事を経て、方向幕の設置やフィルム貼り付け(かつては銀一色)、台車変更といった更新工事を受けて、いまだに72両全車が健在である。
南海本線 今宮戎・新今宮 2007.11.24
6300系。昭和45年に登場した高野線通勤型車両である6100系の台車を変更されたグループである。6100系は6000系のマイナーチェンジ版といったところで、客用扉が両開きとなり、側窓が一段下降窓となった点は、7000系と7100系との関係に似ている。
台車の変更は平成8年から行われたが、6000系の場合と異なり、こちたは改番を伴った。平成21年度までにこの工事は完了する予定で、特徴のあるパイオニア台車を履く姿も間もなく見納めになる。
南海本線 今宮戎・新今宮 2007.11.24
6200系。昭和49年に登場した高野線通勤型車両で、6000系や6100系の改良版である。軽量化が図られ、新製コストの低減が図られているが、前面が少し角ばった形状になっているのが特徴である。
6000番台の系列は、高野線をホームグラウンドにして活躍しているが、泉北高速鉄道にも乗り入れる。しかし、橋本以南の山岳線区には車体限界の関係で、乗り入れることは出来ない。
南海本線 今宮戎・新今宮 2007.11.17


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