小坂精錬

 この鉄道は、同和鉱業が小坂鉱山で採掘される銅などの鉱石を運ぶために敷設した鉄道で、大館・小坂間で営業を開始しました。その後、経営主体が分社化されて小坂精錬となり、平成6年には旅客営業が廃止となりました。以降、輸送業務は貨物のみとなっていましたが、平成20年3月をもって、休止となってしまいました。
 この貨物列車は同社で製造される濃硫酸を積んだタンク車で構成されており、コンテナ扱いの貨物もありました。小坂駅を出ると急勾配が続くため、機関車は三重連となり、迫力のある姿が見られ、多くの撮影者を魅了してきました。
 また、腕木信号機、タブレットといった昔ながらの保安設備が最後まで現役で、大変貴重な存在となっていました。特に、唯一の中間駅である茂内にてタブレットを通過しながら収受するシーン、かつては亜幹線を走る優等列車が全国のいたるところで行っていたのですが、この小坂精錬での姿が最後になりました。
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写真(左上):タンク車はJRに継承し、コンテナ車のみを引き連れて再度山に戻る下り51列車。通常単機だが、なぜかこの日は三重連だった。 大館・茂内間 2007.1.4
写真(右上):茂内駅を発車する大館行き54列車。この列車はタンク車のみ。バックの腕木信号機と国鉄DD13似の機関車との組み合わせが何ともいえない。 2007.1.4
写真(左下):冬枯れの中、大館へ急ぐ54列車。新製されたばかりのタンク車が冬日に照らされてまぶしい。 大館・茂内間 2007.1.4
写真(右下):タブレットのキャッチシーン。上り列車は補機切り離しがあるため、茂内で停車するが、下り列車は同駅をタブレットの収受を行いながら通過していく。なお、リリースは後方のポールに投げ入れるのではなく、ホーム上の係員に直接渡していた。 2007.1.4


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