小湊鐵道





 小湊鐵道は千葉県内で交通事業を展開している事業者で、鉄道事業はJR内房線の五井駅と房総半島内陸部に位置する上総中野駅との間を結ぶ39.1kmの路線を有しています。社名の「小湊」は、上総中野から先、房総半島東側の小湊町(現在は鴨川市に合併)を目指していたことに由来します。 路線は、終点の上総中野駅付近を除いて市原市内を横断するように敷かれています。途中の上総牛久駅までは沿線の宅地開発が進んでいて利用客も多いのですが、一転して長閑な景色となる上総牛久以東は本数がかなり減ります。終点の一つ手前の養老渓谷駅でさらに本数が減り、終点の上総中野駅まで姿を見せるのは、一日に4往復(平日)、6往復(土・休日)のみです(いずれも平成23年6月時点)。
 手つかずの自然が多く残る中、車両や駅舎なども昭和時代の古き良き雰囲気をとどめ、悪く言えば近代化が遅れているわけではありますが、首都圏内にあるレトロな観光路線として最近は人気を集めつつあります。
 また、最近では地方私鉄のみならず、大手私鉄でも積極的に取り入れられるようになったワンマン運転も、小湊鉄道線では無縁の言葉、車掌さんが回ってくるのも今となっては温かみのあるサービスと言えましょうか。
 
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写真:
小湊鐵道唯一の現役車キハ200形。昭和36年に登場した同形は国鉄キハ20形をベースに設計されたが、前面は張上げ屋根構造となって、ヘッドライトも両脇に配されたことから、印象がかなり異なる。寧ろ当時の親会社であった京成電鉄の通勤型車両を彷彿とさせる。エンジンはDMH17Cエンジンを一台搭載ししているが未だに機関更新を受けていない。縦型のエンジンを搭載している気動車というのも今や大変珍しくなった。
車内にはロングシートが並ぶが、先頭部はかなり前のほうまで席が配置され、助士席側には仕切りがないので前からの眺めが良い。大半の車両は冷房化されているが、クーラーは床下配置なので見下ろして撮っても目立たないのは有難い。
上総大久保・月崎間 2011.5.8


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